店長の終焉!閉店の瞬間!ノンフィクションで語る!

お店のこと

雇われ店長として働いていた、旧勤務先の
店舗の閉店が決まった瞬間、というのを書いていきたいと
思います。

店舗の閉店が決まる瞬間とは
どんなものなのかー?

少しでも伝われば…と思います。

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実際にあった閉店のお話

これからするのは実際にあった閉店のお話です。
とあるお店で雇われ店長として
働いていた私が
閉店を告げられた日の状況を、
なるべくそのまま、書いていきたいと思います。

もう、数年前の話ではありますが…。

閉店の宣告

8月中旬。
いつものように、営業中。
本社より電話が。

電話の相手は本社の部長。

聞けば話があるからこれから店に行くとか。

この時点で少し嫌な予感がしましたー。

と、いうのも
私の勤務していた店舗は
とある事情により、閉店したい、とお偉いさんが
1,2年前から言っていた店舗だったらです。

実績をあげ、なんとかその話を
うやむやにし、延命している状態でした。

本社の部長が来る。

電話では話せない内容。

良い話であるはずがありません。

先代の店長は言っていました。
あの人が来るときは良い話ではない、と。

そして数時間後、
予告どおり本社の方がやってきました。

近くのファミレスで話したいとのこと。

店では話せない内容。
もはやこの時点で運命は決したも同然でした。

店をスタッフさんに任せてファミレスへ。

席につくと、
部長は神妙な表情をしています。
もう、それだけで分かりました。
アレが決まったという事でしょう。

なかなか口を開こうとしない部長ー

こちらから切り出しました
「お話は何でしょうか…?
覚悟は出来ているので…」

そしてーー
「結論から言うと…

部長は口を開き

「--閉店が決まった」

そうです。
これが閉店決定の瞬間です。

前日まで流れていた普通の時間。

それが唐突に覆った瞬間でした。

私の店舗はゲームソフトやトレカの販売店舗でした。

これから超大作クラスの作品が
多数発売される時期。

まさか、この時期にー。

閉店は想定していたことですが、
この時期に、こんなに早くとは
正直なところ、想定外でした。

…が、動揺はせず、淡々と話を聞きました。

会社のトップが閉店したがっていることー

とある会社内(店舗とは関係ない)の
別の事情で親会社(私の勤務先店舗は某会社の子会社でした)
の期限を損ねてしまい「じゃあもう閉めろ」のような
雰囲気になってしまったことー

閉めるのであれば、素早く。
既に役員会議で全会一致となっており、
賃貸の大家さんにも話がついていることーー

色々な事実をこの日初めて知りました。

会社内の情報を日々、収集していたのにも関わらず、
この様な動きを事前に察知することはできません
でしたー。

今居るスタッフはどうするのかー?
予約の方や常連の方はどうするのかー?

そんな事が脳裏をよぎりました。

そして部長よりー
「別の店舗の店長 もしくは
親会社のとある部署で
やってみないかー?」
そういう話の打診がありましたー。

別店舗。
別の部署。

しかしながら…。

そしてお店は消える…

部長よりー
「別の店舗の店長 もしくは
親会社のとある部署で
やってみないかー?」
という打診。

別店舗。
別の部署。

別の部署 というのは経験者曰く、
軍隊のような部署(笑)とのこと。

休日もなく、ただただ会社の為に尽くし、
実績がモノを言う世界。

そのような場所です。

一度しかない人生。
そのような場所で時間を費やすのであればー

”その部署”に行くという選択肢は最初から
自分の中にはありませんでした。

では、もう一つ。

別の店舗。

店舗での勤務となれば
今までのように週休2日をうまく調整しながら
取る事は可能でしょう。
上手くシフトを作ればよいだけの事です。

また、その店舗が閉店になるまでは
安泰です。
少なくとも、自営業という道に身を
投じるよりは。。

本部の部長は熱烈にアピールしています。
よほどその店舗に行って欲しかったのかー

…が、答えは最初から決まっていました。

Noです

何故か。

綺麗ごとを言っているように聞こえるかも知れませんが、
苦楽を共にしたスタッフ達はアルバイトなので
全員解雇されます。

そんな中、自分だけ助かるー

自分だけ保身に走る。

そういうのが、嫌いだったから それが一つです。

店長として店を守りきれなかったのであれば
やはり自らもスタッフと共に排斥されるべき、
そう考えたためー。

そしてもう一つ。

いつまでも沈みかけの船にしがみついていては
いけない。
例えそれが困難な道であろうとも、
いずれ飛び出さなくてはならない

そうです。
いつかは独立したいと思っていたのです。

ここが丁度良い機会。

そして、別店舗への打診、
これを断りました。

本部の方は何度も何度も、
来て欲しい、と言っていましたが…。

帰り際、部長は言いました
「スタッフに閉店を告げるのが言いにくければ
 俺から言っておく」

勿論、断りました

スタッフに閉店を告げられない?
みくびられたものです

スタッフの皆様も
ほぼ接点のない部長に閉店を告げられるよりも、
店長から告げられたほうがまだ良い…ハズ。

それに、閉店を告げるのは店長として
当然の仕事なので。。

で…その日のうちに全員に閉店を告げました。

驚くモノ、あっさり受け入れるモノ、自分の今後を気にする者、
本社に対して不満を漏らすもの。。
色々な反応でした。

閉店決定で何より精神的に辛かったのは
この閉店を告げる、ということでした。

そして9月。
常連さんに伝え、お客様に伝えーー

中旬、旧勤務先は静かに幕を下ろしました。

これが閉店決定日の全てです。

一度決まってしまったことはもう覆らない

旧勤務先の閉店決定後の裏話。

旧勤務先の閉店決定。
それは、閉店予定日の1ヶ月前に聞かされたことでした。

決まってしまったのであれば
それはそれで仕方のないことなのでしょう。
自分の会社でないので、続ける続けないの決定権は
残念ながら雇われ店長である私にはありませんでした
しかし、閉店日は9月でした。

11月にはご存知の通り、
当時の大作の発売を
控えており、予約も100近く入っている状況。

この予約された皆様を無視して閉店するのは
接客業上、このましくないのではないかー?

そう考えて、
本社に交渉することにしました。

閉店日を遅らせるー。

別に自己保身に走ったわけではありません。

予約された方々がしっかり受け取りできるように、
そして店舗で働くスタッフの皆様が次を探すまでの
時間を稼ぐためにー
そう考えていました。

交渉相手に選んだのは会社の役員達の1人。
親会社の重鎮で影響力も持つ人物です。

その方はよく動き回っており、
連絡先も直通のものがなかったので、
唯一直通連絡の取れる、文章でのお願いとなりました。

予約された方が大勢おり、
11月まで閉店を遅らせて欲しい、
という旨の文章です。

数日間考えた末、文章はできあがり、提出しました。

勿論、会社の事情上難しいことは
分かっていました。
既にこちらの知らないところで話は奥深くまで
進んでいるのでしょう。

そして…

その方から文章で返答があり、
「今日夜までいますか?あとで電話で話したいです」
と丁寧な返事がありました。

延命が受け入れられたのかー?
それとも、説教タイムに入るのか??

ただ、わざわざ会社のトップクラスの人物が
電話をかけてくるー
と、いうことで内心少し期待していました。

しかし結果は、
「言いたいことも分かるし、
本当に申し訳ないけど、もう決まってしまったことは
覆せない 申し訳ない」

と、いうお詫び(?)の電話でした。

勿論、事を荒立てないための社交辞令だとは思いますが。。

そうです、延命には失敗しました。

結論から言えば、
会社内で決まってしまったことは
下の立場からはなかなか覆すことは難しい、ということですね。

大きい会社であればあるほど、
「決定」は絶対的な力を持つのでしょう。。

結果的に閉店を伸ばすことはできず、
予約されていた方々には申し訳ないことをしましたが、
何も行動せずに、そのまま閉店すれば
後悔が残ったと思うので、
自己満足ながら、行動して良かったと…そう、思います

最後まで諦めないー
自営業になった今、私にとって、その諦めない精神が
より大切になってくるのかもしれません。。

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