香川県のネット・ゲーム依存症対策条例の問題点を解説!

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香川県のネット・ゲーム依存症対策条例について
元ゲーム販売店店長がその問題点や
意味の無さについて解説します。
また、香川県民の皆様がどうすれば良いのか、
ゲーム依存症に効果はあるのかどうか、
今後どうなっていくのか、
どうしても無くしたい場合はどうすればいいのか
などについても語ります。

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どのような条例?

あまり語る意味もありませんが
ネット・ゲーム依存症対策条は
香川県の県条例で、2020年4月1日にスタートされました。
スタートしたらどうなるの?と思う人もいると思います。
下で解説しますが、
答えは「何も起きません」
というのが答えです。
変に煽ったりしているような人もいますが
実際のところは、何も起きません。
目的としてはゲーム依存症対策(実際、効果はないです 詳しくは↓で)
となっており、
ゲーム利用時間の目安として18歳未満に
1日60分(休日90分)という制限(目安なので従う必要はありません)
がついています。
罰則等は何もありませんので、
あくまでも、学校の教室に貼ってあるクラス目標
(誰も守ってないようなアレです)と同じだと
考えておけばいいです。

どうすれば?

どうする必要もありません。
各家庭でルールは決めるものであり、
普通に日常生活を送ることができていれば
今まで通りで良いです。
1日2時間遊んでも良いですし、
普通に生活できてるなら3時間でも4時間でも
好きにして下さい。
もちろん、逆に各家庭でゲーム禁止にしているなら
それはそれでも構いません。
県がギャーギャーと騒ぐことではないのです。
↑で書いたように罰則も何もないものなので、
ゲーム時間が1時間を超えたから電源が切れる、
ということではないですし、罪に問われることもありません。
当然、悪いことでもなんでもないので、
好きにして下さい。
本当にゲーム依存症になってしまっているのは
悪いことですが、↑の条例は何もゲーム依存には意味がないので
放っておくのが一番です。

ゲーム依存に効果はあるの?

ありません。
これは少し考えてみれば
分かることだとは思いますが、
このような規制がゲーム依存症に対して
予防になるかと言われればNoですし、
既にゲーム依存症の人に対しても
全く効果がありません。

理由としては、
そもそも、ゲーム依存症の原因が「ゲーム」では
ないからです。

香川県議会はそもそもこの部分を勘違いしてしまっており、
そのため、このようなお粗末な条例しか
考えることができない。ということです。

ゲームを楽しんでいる人は
世の中にたくさん存在しています。

そして、依存症になっている人は、
全体のプレイヤー数からすれば、
「本当にごくわずか」です。
多くの人は、ゲームをどんなにプレイしようが
ゲーム依存症にはならずに
普通に生活をしているわけです。

では、ゲーム依存症に走る原因とは何か。
もちろん、ゲームにのめり込みすぎてしまって、
という人も中にはいるとは思いますが
実のところ、これは”ごくわずかな人間”の話です。

多くの場合は「家庭環境」「学校でのトラブル」
「職場でのトラブル」「何らかの病気など」と言った、
”別の部分”に要因があります。

特に、日常生活に支障をきたすようなゲーム依存症
(と、いうより日常生活に支障がなければどんなに
ゲームやってたとしても依存症に当てはめるのは
間違いでしょう)になっている人には
”ゲーム以外”の理由があり、
ゲームの目安時間を設けたところで、効果は「0」です。

実際に私はゲーム販売店で店長をやっていましたが
ゲームを買いに来る人間の多くは「どこにでもいる人たち」です。

警察官だって来ましたし、先生だって来ましたし、
陽キャラっぽいのもいれば、いかにもオタクっぽい人まで
本当にいろいろな人たちが来ていました。

で、多くの人たちは普通の人たちです。
つまり、ゲーム依存症対策に「ゲームがどうこう」と
言ってる時点で完全に的外れであり、
もしも”わかってて”そう言ってるなら論外ですし
”本気でゲームが原因”と思っているなら
あまりにも稚拙で、的外れということです。

ゲーム依存症の人は、条例が出来てもそのままです。
ゲーム依存症予備軍の人もそうです。

何も関係ない一般の人が委縮するだけ。
依存症対策にも、何にもならない、
というのが答えであり、
本気で依存症対策していない、というのが答えです。
「ゲーム時間」「ゲームが~!」なんて言ってるうちは
何も解決しないでしょう。
あまりの視野の狭さに愕然とします。
本気で解決を目指すなら
「ゲーム以外の原因」に目を向けることです。

ゲーム発売への影響は?

これは、ないでしょう。
条例の中には「この条例に気を遣ってね!」みたいな
文章もありますが、これも強制力はありませんし
そもそも破綻している条例のために合わせる会社は
まずないはずです。

よって、ゲームはそのまま発売されますし
”香川県のためだけに”特別配慮されるようなことも
ないでしょう。
なぜ、1県のわがままを聞かなければならないのか?
という話になるだけです。

ゲーム内容にも、発売にも影響はないはずです。
ゲームを作る側も売る側も商売ですから、
”何の利益にもならないこと”はしないのです。
香川県に気を遣ったって何も意味がないですからね。

香川県側も何かうるさく事業者に言い出す可能性は
限りなく低いですが(罰則もなければ
そこまで介入する権限もありません)
万が一、県側が暴走するようなことがあったとしても
企業側にとって
”香川県に合わせる”のか
”香川県を除く”のか、どっちが利益になるかと言えば
恐らくは”除く”ほうでしょう。
”じゃあ他の都道府県で売ります”とした方が
いちいち細かい部分まで合わせるよりも
メーカーにとってプラスになる、ということです。

そのため、香川県に気を遣って
新作が発売されなくなる、とか
そういうことが起きる可能性は非常に低いでしょう。

今後罰則がつく可能性は?

これは、ほぼ不可能であると考えられます。

そもそも、今回の条例自体が
色々怪しい部分が存在しており
効果もほとんどありません。
当然、科学的なきっちりとした根拠もないわけです。

そのため、形骸化して消滅する、というのが
(あるいは、条例はあるけど、忘れられてる状態)
現実的な部分になるでしょう。
肝心の罰則ですが、
そこまで行政に介入するような資格はなく、
罰則をつけるのは、現実的には厳しいものになります。
また、普通に考えてもらえれば分かると思いますが
”子供がゲームをプレイしている時間”を行政が
把握することは不可能です。
それこそ、監視カメラで各家庭を監視するぐらいの
ことをしなければ絶対にできません。
そして、監視カメラでの監視など、できません。

ネット接続しているゲームであっても、
そのプレイ時間を知るには、ゲーム会社が、行政に
データを提供する必要があり、行政が
プレイ時間を知ることはまず不可能です。
加えて、”ネットに繋いでいない状態”で遊んでいる
ゲームのプレイ時間を把握することは不可能、
さらに言えば、万が一ネットに繋がっている
プレイ時間を行政が把握できるルートを手に入れたとしても、
”子供”が遊んでるのか、”親”が遊んでいるのか
把握するのは困難に等しく
罰則をつけることも、プレイ時間を把握することも
限りなく不可能に近いのです。

香川県側の問題点

まず、一番大きな問題としては
”何の意味もない”ということですね。

少し考えれば普通は分かると思うのですが
行政が介入するような部分ではなく、
それすら分からないのであれば
恐怖すら感じます。

こういった条例は
本当のゲーム依存には全く効果がなく、
普通に楽しんでいるだけの人間を
締め付けたり、不安を感じたりさせるだけの
条例です。
つまり、何の意味もないどころか
逆効果、ということですね。

完全に、香川県議会による”私怨”の条例と
なってしまっており、説明も不足しているまま
無駄に不安を拡散させているだけのものに
なってしまっているのです。

パブリックコメントなどに関する疑惑
(これは真偽は不明ですが、どちらであったとしても
県議会側の態度は良くありません。説明不足です)も
出てしまっていますし
完全に、子供たちに”大人の汚い世界(悪いお手本)”を
見せてしまっているだけになってしまっています。

本当に子供のことを考えてこの条例を
作ったというのであれば、やはり
ちゃんと説明するべきですし
もし不正をしていたなら、”ごめんなさい”の言葉も
必要になってくるのではないでしょうか。

今のままでは
”こういう大人になってはいけない”という
反面教師的な意味合いしかありません。

最低限の知識を身に着けることから

香川県議会がするべきことは
”最低限の知識を身に着ける”ことです。
ゲーム依存症に向き合う気が本当にあるのなら
まずは「ゲーム・ネット」を知ることです。

条例などに関するやり取りを見ていると
お世辞にも知識が十分とは言えず、
ゲーム屋店長から見ても「最低限の知識すらない」というような
悲惨な状態に見えます。

一方的に「これはだめだ!」ではなく
まずちゃんと、ゲームやネットについて、最低限理解してからの
話し合いをするようにしなければ
それこそ「老害」と一蹴されて終わってしまいます。

”いや、理解してるよ”という議会の人もいるかもですが
”してません”
してるつもりになってるだけです
正直、勉強不足を露呈していて、今の時代に
恥ずかしいことばかり言っている状態なので
申し訳ないですが、1からネットやゲームについて
理解してから、再度、偏見ではなく、ちゃんと理性的に
話し合うことをおすすめします。

結論…まったくの無意味

残念ながら、この条例は全くの無意味で
単なる”自分たちの嫌いなものを攻撃する”という
まるで小学生のようなことをしています。

いい年した大人がこんなことをしていると思うと
呆れますし、このようなやり方しかできないのであれば
あらゆる意味で人間としても、ネットやゲームに対しても
勉強不足ですので、
周囲の意見に耳を傾けて
(”自分たちに都合のいい意見にだけ”耳を傾ける、ではダメ)
しっかり反省し、やり直すことが重要であると考えます

何が子供たちに悪影響かって、
”香川県議会のような大人がいること”ですよ。
自分たちこそが、子供の教育に対して毒になっているのです。

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